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競売事例研究 横浜市保土ケ谷区のアパート

相模鉄道

8月下旬くらいから賃貸のお問い合わせが増えてきました。コロナ禍も終わり、ほぼ例年のサイクルに戻ってきたような感じです。

それにしても売買も賃貸も良さげな物件はすぐに無くなります。


今月の競売事例研究は保土ケ谷区のアパートを見てみます。土地権利は借地なので建物だけの売却です。


横浜市保土ケ谷区のアパート

アパート
裁判所・入札情報

・横浜地方裁判所本庁 R04ケ403
・入札期間:2023/09/26 ~ 2023/10/03
・開札期日:2023/10/10
・売却基準価額:26,740,000円

物件情報

・所在地:神奈川県横浜市保土ヶ谷区和田一丁目
・交通1:相鉄本線「和田町」駅 徒歩7分
・交通2:相鉄本線「星川」駅 徒歩8分
・土地権利:賃借権(地代 51,840円/月)
・敷地面積:498.19㎡ ※登記簿
・地勢:平坦、不整形地
・用途地域:第一種住居地域
・建ぺい率/容積率:60/200(160)
・接道:西側私道 幅員約2.4~2.8m(2項道路)
・設備:上水道、都市ガス、下水道
・現況:賃借人、所有者占有中
(建物1)
・延床面積:208.68㎡ ※現況
・建物構造:木造2階建
・間取り:1R×12室
・築年月:1988年7月
・現況:賃借人、所有者占有中
(建物2)
・延床面積:151.44㎡ ※現況
・建物構造:木造2階建
・間取り:1R×3室、3LDK×1室
・築年月:1989年4月

間取図

間取図

物件概要

借地に建っている築古アパート2棟の売却です。

接道は私道の2項道路ですがGoogleマップを見る限り自動車はなんとか入れそうです。

賃貸状況は概ね半空といった感じです。

土地建物位置関係図
土地建物位置関係図

エリアなど

位置的には相鉄線の星川と和田町のちょうど中間あたりになります。どちらも徒歩7~8分ですので良い感じです。

地勢も平坦で横浜駅まではバスも有りますので不便は無いと思います。

物件の近く(南側)に帷子川が有りますので水害ハザードマップは必ずチェックしましょう。

横浜市ハザードマップ
横浜市ハザードマップ 浸水想定区域内です。

収益について

物件調査報告書から数字を拾うとレントロール的には次のような感じです。(満室想定は安い部屋の賃料で計算しています)

(建物1)
・101号室:空室(所有者使用)
・102号室:空室(所有者使用)
・103号室:39,000円(内共益費2,000円)
・105号室:空室(所有者使用)
・106号室:空室(所有者使用)
・107号室:34,000円(内共益費2,000円)
・201号室:空室(所有者使用)
・202号室:33,000円(内共益費4,000円)
・203号室:空室
・205号室:35,000円(内共益費4,000円)
・206号室:38,000円
・207号室:40,000円
○合計(現況):219,000円
○合計(満室想定):389,000円

(建物2)
・A号室:空室
・B号室:空室
・C号室:40,000円
・D号室:120,000円
○合計(現況):160,000円
○合計(満室想定):240,000円

2棟合計で満室想定賃料が629,000円/月で、現況が379,000円/月です。

あまり意味は有りませんが売却基準価額の26,740,000円で割り戻してみると、表面利回りは満室想定で約28%、現況で17%となる計算です。

室内

借地権について

土地所有者はお寺さんで地代は月額51,840円です。

また前面道路の私道の所有者も同じなので再建築や通行掘削承諾なども問題ないと思います。周辺一体の地主がお寺さんだとなんか安心感が有りますね。

借地の場合は名義変更料や更新料、建替承諾料など折々で費用が発生します。

これらは名義変更の承諾可否とともに事前に確認しておいた方が良いです。(話がこじれたら裁判所で賃借権譲渡等の許可を得る必要が有ります)

なお、名義変更料については借地権価格の10%と想定して売却基準価額に反映されています。

評価書
評価書より

入札戦略

借地、2項道路、賃借人付きの築古アパートなどの要素が有り入札価格の検討は難易度が高いですが、投資家目線でなるべく単純に考えてみます。

まず基本となる土地、借地権価格を見てみます。

裁判所の評価書の計算では借地権割合を60%、さらに名義変更料を考慮して3,923万円としています。

3点ユニットバス

次に上記の満室想定賃料(629,000円/月)で収益還元の面から考え、単純に表面利回りで計算してみます。

・表面利回10%:7,548万円
・表面利回15%:5,032万円
・表面利回20%:3,774万円

表面利回りで10%仕上がれば、転売するにしても引き合いは多そうですが。

ここから借地の名義変更料、現在空室部分の修繕費用などを考えて入札金額を検討していくことになります。

借地権価格(約4,000万円)は最低ラインになるでしょうからそこからどの程度上乗せするかですね。

ちなみに現況の半空での賃料収入(379,000円/月)で表面利回り10%なら4,548万円となる計算です。

現況調査報告書の写真を見る限りでは室内外ともひどく荒れている感じは有りませんし、落札価額は結構高くなりそうな気がします。

はたしてどうなりますでしょうか。

キッチン

2023/10/10 追記

取下となりました。考えられるケースとしては債務返済か任意売却成立です。

競売申立ての取下げとは?
申立ての取下げとは、申立債権者がその申立てを撤回する行為です。競売の開始決定がされた後でも、売却が実施されて売却代金が納付されるまでは、いつでも申立てを取り下げることができます。ただし、売却が実施されて、執行官による最高価買受申出人の決定がされた後の取下げについては、原則として最高価買受申出人又は買受人及び次順位買受申出人の同意を必要とします。したがって、確実に取り下げるためには,申立債権者は、開札期日の前日までに執行裁判所に対し取下書を提出する必要があります。買受人が代金を納付した後は、申立ての取下げはできません。
裁判所のホームページより引用


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