またまた大田区へ物件の調査に出かけてきました。
あいかわらず狭い道が多いですが、今回の物件も狭い私道の先の奥まったところに建っていました。
なんか微妙な感じです。
さて今日は、普段あまり耳にしないけれど、実は結構多い「狭あい道路拡幅整備事業」について簡単に説明します。
そもそも「狭あい道路」ってどんな道路でしょうか?
ちなみに漢字だと「狭隘道路」です。(絶対に書けないですね)
皆さんのご近所にも、こんな道、ありませんか?
「あれ?車がギリギリ通れるくらいかな?」
「人同士がすれ違うのもちょっと大変かも…」
そうです。狭あい道路とは、文字通り「狭い道」のことを指します。
法律上の定義はないのですが、行政(都道府県・市町村)が使用する場合は、主に幅員4m未満の2項道路を指す事が多いです。

なぜ「狭い道」が問題なのでしょうか?
「別に、狭くても通れるならいいんじゃね?」
と思われるかもしれませんね。
でも、実はこの狭い道、いざという時に困ることがあるんです。
例えば、
- 火事が起きた時に消防車がスムーズに通れないと、消火活動が遅れてしまう可能性があります。
- 地震や台風などの災害が起きた時にも救急車や救援物資を運ぶ車が入れないと、助けが遅れることも。
- さらに日々の生活で車の出し入れが大変だったり、お子さんが安心して歩けなかったり。
このように、私たちの安全や安心な暮らしを守る上で「狭いままにしておくのは良くないね」という課題があるんです。

そこで「狭あい道路拡幅整備事業」です。
これは、そのような「狭い道」を「もっと安全で快適な道に変えていこう」という取り組みです。
もともと幅員4m未満の2項道路の場合は、建物を建て替える際には、ご存じの方も多いと思いますが、道路中心から2mの位置までセットバックが必要となります。
これを積極的に促進するのが「狭あい道路拡幅整備事業」です。
私有地の整備は所有者が行うのが原則ですが、この事業の範囲の道路の場合は、セットバック部分を道路状に整備するに当たり、区が工事したり、舗装工事や舗装費用、また塀や電柱などの撤去に関して各種助成金などの交付があったりします。
もっとも、基本的には建て替えのタイミングでセットバックは行われますので、一帯が広くてきれいな道路になるのは結構な時間が必要となります。
横浜市のホームページ ↓

大田区のホームページ ↓

ところで、私ども仲介業者的な立場で見ると、土地の一部が道路に取られてしまいますので、土地の有効面積が減ってしまうことが問題となります。
建築可能な土地面積が狭くなると建ぺい率や容積率などの制限により、建物も小さくなってしまいます。
このあたりはよく調べて買主様にきちんとご説明しておかないと後々トラブルの元となるので要注意なポイントです。

- まとめ
- 「狭あい道路」とは、主に幅4メートル未満の道路のこと。
- 安全や防災の面で課題があるため、「狭あい道路事業」で道を広げる取り組みが行われています。
- 土地の所有者の方が建て替えなどで協力することで、より安全で快適な街づくりに貢献できます。
- ご協力いただいた方には、自治体からの支援制度がある場合も!
不動産のご相談はお気軽にどうぞ。
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