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重量鉄骨か軽量鉄骨かの判断に悩む

工事中の鉄骨のビル

今日は鉄骨造の建物での重量鉄骨造と軽量鉄骨造についての話です。

ハウスメーカーの定型品や最近の建築だとほとんどの場合で鉄骨造の「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」の区別に悩むことはありません。

これが、扱うのが平成前半の中古物件だったりすると、鉄骨造の「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」の区別が難しい事が多々有ります。

「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」で登記費用、固定資産税、減価償却費などが変わってくるので仲介での調査では重要なポイントの一つです。

重量鉄骨造のマンション

さて重量鉄骨と軽量鉄骨の定義ですが、これは鉄骨の厚さでの決まります。

一般的な用語としては厚さ6mmで「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」に分かれます。

しかしながら「重量鉄骨」という言葉は登記簿や建築確認には出てきません。

さらに昔の建物だと登記簿に「鉄骨造」と書いてあっても実は「軽量鉄骨」だったという事も有る様です。

もちろん設計図書を見たり施工会社に聞けばよいのですが、古い建物だと確認申請や図面等が無くなっていて、さらに建築会社までも無くなっているという事が結構有ります。

また、建築会社が残っていても平成初期の物件の記録は残っていないと言われることも多いです。

面倒くさい?から無いと言うケースも多いのかもしれませんが。w

鉄骨造のビル

ここで「重量鉄骨」「軽量鉄骨」という用語の定義ですが、登記、建築基準法、税法上の法定耐用年数にそれぞれ基準が有ってややこしくなっている感じなので整理してみました。

登記簿

軽量鉄骨造と鉄骨造に分かれる。重量鉄骨とは記載されない。土地家屋調査士が判断します。

  • 軽量鉄骨:1mm〜6mm程度
  • 鉄骨:6mm以上
建築確認

建築確認では鉄骨造と軽量鉄骨造の区別は無い。どちらも鉄骨造と記載されてます。
建築計画概要書には軽量鉄骨造と書いてあることがあります。

税法上の法定耐用年数

税法上の法定耐用年数は鉄骨の暑さで3段階に分かれてるが6mmという基準は無い

  • 鉄骨:板厚4mmを超え(耐用年数34年)
  • 軽量鉄骨:板厚3mm超え4mm以下(耐用年数27年)
  • 軽量鉄骨:板厚3mm以下(耐用年数19年)

※店舗・住宅用で飲食店用とかはまた異なります。

やはり「重量鉄骨」という言葉はでてきません。

また、厚さ4mmと5mmで耐用年数がそんなに変わるのかな?とも思いますが。

軽量鉄骨造のアパート

ところで特に収益物件などの場合は融資期間や減価償却費などで法定耐用年数が特に重要です。

ここでは実際の鉄骨の厚さが知りたいので登記簿の構造の記載はあてにはなりません。

一般的に2階建てのアパートだと軽量鉄骨、4階建てのマンションだと重量鉄骨だと思いますが、エビデンスを出せと言われても困りますし、さらにその間の微妙な感じの建物も多くあります。

鉄骨造のマンション

税理士の先生とかが軽い感じで聞いてくる事が有りますが、いずれにしても私に聞かれても分かりません。

なので色々調べることになりますがこれがけっこう大変です。

どうしても分からなければ「たぶん重量鉄骨だけど正確には分かりません。ごめんなさい。」で終わりになりますが、もやもやしたものが残ります。w

鉄骨造の共同住宅

ところで火災保険での耐火建築物も基準が有り、古い建物だとそこで悩むケースも多いです。

耐火建築物でないと保険料が結構上がるのでこちらも重要です。


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