とある案件で購入申込み書を頂いた後、約1ヶ月の交渉の末やっと条件の合意が出来たところで、お客様から「購入申込みは取下げます」とあっさり言われてしまいました。買主様のご意向に従って、ずいぶんと頑張って売主様側と価格などあれこれバチバチと交渉したのでがっかり度が半端ないです。また、売主様側に「ごめんなさい」する時の気まずさもなかなか慣れません。w
ちなみに、民法では口頭でも契約は成立することになっていますが、不動産取引の場合は、高額なものなので書面で契約書を取り交わすまでは契約は成立しないという考え方(判例)になっています。なので、契約前であれば売主・買主どちらの側もキャンセルしてもペナルティはありません。
ということ?で、本日は契約書の見方などについてです。
不動産関係でよく出てくるのは、売買契約書、賃貸借契約書、媒介契約書、管理委託契約書、建物工事請負契約書、そして金銭消費貸借契約書 などでしょうか。
最後の金銭消費貸借契約というのは、ローンを使う時に金融機関との間で締結する契約です。短縮して「キンショー」って言います。署名捺印をたくさんしなくてはなりません。なお内容的にはすごく金融機関に有利な内容ですがどうしようもありません。w
その他は、不動産取引の各場面で、売主、買主、貸主、借主、管理会社などの当事者間での契約書です。
これらの契約書は不動産協会や国土交通省などが作成した標準の契約書の雛形が有って、ほとんどの場合でそれが使われます。雛形はどれでもほとんど同じです。(微妙に表現が違う所も有りますが)
で、これらの契約書の見方ですが、慣れないと分かりにくいと思うのですが、構成を理解すればポイントを簡単におさえることが出来ます。次の3つに分けてチェックすると良いです。
(1) 物件の表示や取引条件の表示
(2) 標準の条文
(3) 特約事項
一般的な売買契約書で説明します。まず、(1)の「物件の表示や取引条件の表示」で各項目の内容や数字に間違いが無いか一つづつチェックします。
次に(2)の標準の条文をざっと読みます。独自の条文で無ければネットを探せば各条文の解説なんかも見つかると思います。
ところで不動産取引は売買でも賃貸でもまったく同じものや同じ条件というのは有りません。そのために当然標準の条文だけでは契約書としては不足です。
ということで、この標準の条文を変更する事項や、追加の事項などを特約として特約欄に記載します。ここが標準的な契約とは異なって定める事項になりますので、注意深く確認した方が良いです。
で、分からないことはいちいち確認するようにしましょう。そして契約書と一緒にその時の不明点を確認したメモなども保存しておいたら良いかもしれません。
不動産のように色々とスパンが長いものは、後になると記憶が全くなくなったりするので、契約書などだけが頼りになります。相続などで次世代になるとなおさらですね。
ご相談はお気軽にどうぞ。
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