不動産コラム

木密地域のリスク

築地の火事

ニュースでやっていたのでご存知かと思いますが、昨日築地場外市場で火事が有りました。横浜の事務所からの帰りで、夕方くらいに近くにいたのですが、煙がすごくて銀座の方まで臭いが来ていました。

新大橋通りには、消防車がたくさん止まっていて数本の放水がされているのですが、煙の勢いは弱まりません。ヘリコプターも5機くらい空を飛び交い、大変な様子でした。結局、完全に鎮火されるには、翌朝まで時間がかかってしまったようです。

木造の建物が密集している地域での火事の怖さをあらためて感じました。

狭い路地

接道義務の目的とは?

ところで今回の築地の火事とは話は変わりますが、建物を建てるためには、幅員4m以上の道路に2m以上接しなければ、原則として建築許可が出ません。(地域によって色々例外があります)

これは建築基準法で定められているのですが、災害時の避難経路の確保や、消防車や救急車などの緊急車両が接近する経路を確保することが目的です。

先程「原則として」と書きましたが、古くからある住宅地などでは道路の幅が狭くても幅1.8m以上あれば、条件付きで建築が認められる場合が有ります。いわゆる2項道路とかのケースです。

2項道路は建替えなどの際には、いわゆるセットバックしなくてはならないのですが、そもそも建替えをしない家も有りますし、ずるして?ぎりぎりまで建ててしまうケースも有ります。なのでなかなか4m幅の道路にはならないのが現状です。

狭い道路

木密地域では備えを十分に

「木密地域」という言葉が有りますが、これは「木造住宅密集地域」を略した言葉です。文字通り木造の建物が密集している地域です。そしてそこを通る道路は上記の2項道路ように狭い場合がほとんどです。

こういった地域は、古くからの住宅地のなので、立地も良く、また地価も安いことが多いので、普段何もなければ、コストパフォーマンス(不動産の価格や家賃に対する利便性)を考えると良い事が多いです。

しかしながら、このような場所での不動産の購入や賃借を検討する時には(特に消防車が入れないような狭い道の奥に有る場合)防災上のリスクも頭の片隅にでも考えておくべきだと思います。

もし木密地域に住む事になったら、火災保険と覚悟(防災への備え)は忘れないようにして下さい。

消化器


接道義務とかは、面倒とか余計なお世話とか思うこともありますが、万一の際に財産や命を守るための基準です。あまり文句をいったらいけませんね。

 

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