本日は青道、水路などの話です。
前面道路と敷地の間に水路が有るような土地を見かけることがありますが、この様な土地の売買にあたってはちょっと注意が必要です。
ご存じの方も多いと思いますが建物を建築する際には道路に接していないと建築できません。
接道義務とは
建築基準法第43条の規定によれば、建築物の敷地は原則として、建築基準法上の道路と2m以上の長さで接しなければならない。これは消防活動などに支障をきたすことがないように定められたものである。この義務のことを「接道義務」と呼んでいる。(アットホームより引用)

で、この水路が第三者の所有であれば当然に道路から水路の向こう側の土地は接道していないことになります。
また、公図を見て地番が付いていない水路(青道と呼ばれています)は概ね市区町村の所有または国有地となっています。この場合も道路から水路の向こう側の土地は接道していないことになります。
上の写真では溝の部分が水路となっていて、左が道路、右が敷地となっていますが、水路が間に有るために接道条件を満たしていません。

とは言っても、実際には多くの場所で建物は建っています。
水路に橋などをかけて、その部分だけ(接面2m以上必要)水路の占用許可を取り、そしてそこで接道しているとして建築確認を取っているパターンが多いです。

なお、水路などの占用許可には当然費用がかかります。横浜市の場合で1年1㎡あたり1,000円程度です。
ところで、見るからに水路の場合は分かりやすいのですが、もう水路の役割をしてないけど水路の扱いの土地も有ります。これは公図見たり役所に確認しないと分からないです。
また、青地は本来は国有地でなので一般の宅地にはならないはずなのですが、いつしか水路が事実上廃止されてしまって隣接地と見分けがつかず、青地を含む敷地に一般の住宅が建っていることもしばしば有ります。


水路として使われていない場合は多くの場合で払い下げも可能です。敷地内にこのような土地がある場合はお金はかかりますが払い下げてもらった方が良いと思います。手続きなど面倒ですが後々すっきりしますので。
ちなみに、機能を喪失した里道や水路などは「旧法定外公共物」と言って財務省の管轄、その機能を有しているものは「法定外公共物」と言い、市町村が管理しています。
このような元水路として使われていた土地(青道)の他に、似たような扱いで赤道と呼ばれているやはり無番地の土地が有りますが、これは昔から皆があぜ道や通路(里道)として自由に使っていたような土地です。
コンピューター化以前の明治から使われていたような公図では水路は青く塗られており、里道は赤く塗られていたのでこのように呼ばれているそうです。
今でも旧紙公図というのを法務局でお願いすればカラーで出力してもらえます。

ところで「赤道」を「赤地」、「青道」を「青地」と言う事もありますが、「農業振興地域内農用地区域内農地(農振農用地)」のことも「青地」と呼ばれていますのでちょっとややこしいです。(農振農用地とは農地以外の利用を厳しく制限している農地です)
青地(農用地区域)の中の青地(水路)とか言ったりするのでしょうか?
混乱するのでシンプルに水路は水路と呼べば良いように思うのですが。

公図も明治の頃の図面がまだまだ使われていますので、実際の土地の形と違っていることも多いです。測量図などと合わせて現地で頭をひねることになる事も多々あります。
結局その土地周辺に昔から住んでいる方に聞くのが手っ取り早かったりします。
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