売買契約締結後から引渡しまでの期間の建物の滅失について

呑川

先日、蒲田で契約があって行ってきました。

契約や決済の前には、念のために物件が「滅失・毀損」していないか目視で確認してから契約の場所へ行くようにしています。たいてい何もないのですが、ルーティーンってやつですね。

ただ最近では昨年の事ですが、一棟アパートの引き渡しの前日にすごい台風が上陸してピンポイントで物件の真上を過ぎて行ったことがあり、かなりびびりました。

電車がみんな止まってしまい、道路も動かない様だったので、引渡し当日の朝に物件の近所の管理会社に「大丈夫でしょうか?」とおそるおそる電話した所、「大丈夫!」と答えが有ったのでやや安心した記憶が有ります。

蒲田

さて、今日は法律用語で危険負担と言われる問題の話です。

不動産を売買する際は、まず契約と同時に手付金を買主から売主に支払います。その後すぐに売主は測量などの引き渡しの準備を、買主はローン申し込みなど支払いの準備を開始して両者とも準備OKとなれば引き渡し(決済)となります。

多くの場合でローンの手続きなど有りますので、契約から引き渡しまでは1ヶ月以上の期間が有ることが多いです。

で、その契約と引き渡しの間の期間に台風や地震などで対象物件が滅失や毀損などしたらどうなるのでしょうか?そのリスクを買主と売主のどちらが負担するのかという問題です。(危険負担)

契約書と印鑑

結論から書くと、建物の滅失が建物の引渡しを受ける前であれば、買主は残代金の支払いを拒み、また、支払い済みの手付金の返還を売主に求めることができます。

一方、建物の滅失が、建物の引渡しを受けた後だと、契約通りに残代金を支払わなくてはならず、支払い済みの手付金の返還を求めることもできません。

余談ですが、このように引き渡し前後で大きく変わってくるので「何時何分に引き渡した」という記録を残すことが大事です。また買主は火災保険には引渡し日までには必ず加入しておくべきです。売主は引き渡し後に火災保険を解約するようにしましょう。

地震

ところで、今年の4月に民法の大きな改正が有ったのですが、実はそれまでの民法では特定物(代替性の無い物、建物などもそうです)の売買の場合は債権者主義と言って、契約後引渡し前に建物が滅失してしまった場合でも買主が代金支払義務を負う様な条文になっていました。
※契約日に所有権が移転するという考え方らしいです。

しかしこれでは常識的に考えてあまりにも買主が可哀想だということで、今年の民法改正の前においても不動産売買の標準契約書では、建物が滅失した場合は買主は代金を支払わなくてもよく、手付金も返してもらえるような条文が入っていました。

沼部

民法は明治の時代に制定された後、あまり変わらずに現在まできているので、昔の常識は現在の非常識みたいなところがあるのでしょうか。今年の民法の改正は現在の常識に追いついてきた感じになったわけです。

最後に最新の標準契約書の危険負担の箇所を書いておきます。常識的な感覚の条文ですね。

(引渡し完了前の滅失・損傷)
第9条
売主、買主は、本物件の引渡し完了前に天災地変、その他売主、買主いずれの責めにも帰すことのできない事由により、本物件が滅失または損傷して、修補が不能、または修補に過大な費用を要し、本契約の履行が不可能となったとき、互いに書面により通知して、本契約を解除することができます。また、買主は、本契約が解除されるまでの間、売買代金の支払いを拒むことができます。
2 本物件の引渡し完了前に、前項の事由によって本物件が損傷した場合であっても、修補することにより本契約の履行が可能であるときは、売主は、本物件を修補して買主に引渡します。
3 第1項の規定により本契約が解除されたとき、売主は、買主に対し、受領済みの金員を無利息にてすみやかに返還します。


大昔(数十年前)に宅建の資格を取るために勉強していた頃は、滅失とか別の世界の話のように思っていましたが、近年は超大型台風や大地震、津波などが割と頻繁に有って滅失という言葉も身近になってきた気がします。

ちなみに土地は水没すると滅失らしいです。程度によっては登記は残るとか色々説は有るようなのですが。

横須賀

さて話は最初に戻るのですが、契約前に物件を確認しに行った所、野良猫(地域猫?)に遭遇しました。これから冬本番なのでなんとか温かい所を見つけて元気に過ごしてもらいたいです。

蒲田の猫

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