新年号が発表になりましたね。何故かわくわくしながらテレビに見入ってしまいました。w
来月から令和になるわけですが、これで昭和築の物件が一段と古い印象になってしまいます。という事で、本日は築年数について考えてみます。
国税庁が建物の耐用年数を勝手に決めていますが、これは本質的な寿命とはあまり関係ないのは皆様ご存知だと思います。
建物の耐用年数の例(国税庁のサイトより)
・木骨モルタルの住宅 20年
・金属造3mm以下の住宅 19年
・木造・合成樹脂造の住宅 22年
・金属造3〜4mm以下の住宅 27年
・金属造4mm超の住宅 34年3
・鉄骨鉄筋コンクリート造の住宅 47年
・給排水・ガス・照明設備 15年
・個別冷・暖房機器 6年
木造のアパートは国税庁の耐用年数だと22年ですが、平成元年築のアパートでさえ築30年です。RC(鉄筋コンクリート)の例だと、まだたくさん残っている昭和40年台のURの団地などは、そろそろ耐用年数の47年ですがバリバリ現役です。
本来の建物の寿命は、感覚的にはRCで100年、木造で50年といったイメージなのですが、これはきっちりとメンテをやってという条件ですし、特に木造などは切ったり張ったりがやりやすいので、メンテと言っても建替えに近い様な工事もできてしまいます。
例えば(こんなので例えてもちょっとあれですけど)、世界最古の木造建築と言われる法隆寺は西暦607年の竣工らしいので、もはや築1400年越えということになりますが、実際には何度も建替えに近い大きなメンテナンスが施されています。近いところでは昭和の時代にも、すべての木材をいったんバラして、壊れたパーツを差し替え、再度組み立て直したそうです。(法隆寺 昭和大修理関連略年表)
現在の我々の戸建やアパート、マンションなどの場合は、実務的には、建替えと補修を天秤にかけて、建替えの方が経済的に合理性が有るのであれば、古い建物を解体して建替えるという感じで寿命が決まるパターンがほとんどだと思います。
ちなみに、貿易センタービルは1970年築の築49年ですが、そろそろ立替えられるようです。とにかく一等地ですしどう料理しても損しないのでしょう。
こちらは先日五反田に出撃した際に出来ていた新しいビルです。目黒川沿いにあるパーク24本社ビルです。新しくてかっこいいです。
そして目黒川の反対側は例の旅館です。 桜がきれいでした。こうやって少しづつ建物は変わっていくんですね。
さて、住居などに利用されていれば、最低限の手直しはすると思いますので、自然に建物が朽ち果てていく、借地権で言うところの「朽廃」で寿命を迎えるパターンは少ないと思います。しかしながら、特に地方の空家などはこのパターンがどんどん増えてくると思われます。
また、まったく別の話ですが、融資を利用して物件を購入する場合、国税庁の耐用年数を基準にして貸出期間の上限を決める金融機関が多いので、古い建物は売買がしにくくなるということも古い建物が駆逐されていく大きな要因ではあります。メンテの状況とかも多少考慮されることも有るのでしょうけど、実際は築年数で足切りという感じです。
最近の融資の情勢では、マイホーム用の住宅ローンはそうでもないのですが、 特に一棟アパートやマンションなどの収益物件の融資の場合の借入年数が厳しくなってきている印象です。
ところで、人も建物も顔が大事です。古い建物でもきちんとメンテして、外壁の塗装やタイルなどをやっておけば、賃貸募集でも売却の場合でもだいぶ有利になります。特にエントランス付近はポストなども含めてちょっと気を使うと良いと思います。
売買や賃貸のご相談はお気軽にどうぞ。
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