不動産コラム

賃貸併用住宅について考える

賃貸併用住宅

今日は、賃貸併用住宅について考えてみます。

賃貸併用住宅とは、自分が住む部分と賃貸用の部分が一つの建物に一緒に入っている形式の住宅です。
2階建ての場合は、たいてい1階はオーナーの住居、2階を細かく1Rと1Kとかに分けて数部屋を賃貸住宅にする感じです。上下その逆のパターンや3階建てなどもあります。

ポイントは、賃貸経営もできるのに、一般の低金利の住宅ローンが借りられることです。
※多くの場合、オーナーの住居部の床面積が全体の床面積の50%以上でなければなりません。

純粋なアパートを建てようと思うと、一般的なアパートローンですと2~4%前後の金利になります。
が、個人が自分の家を買うための住宅ローンだと、場合によっては1%を下回る金利で融資を受けることができます。※2016年12月現在
金額が大きいのでこの金利差はでかいですね。

設計とか賃料とかの計画にもよりますが、賃貸部の収益で住宅ローンの全部または一部をまかなえますので、戸建を考えてる人には美味しい話に思えます。

でも、美味しい話には必ず裏があるものです。デメリットとしては次のような点があります。

  • 戸建を買ったつもりなのに、アパートみたいに同じ建物に他人が住んでいる。
    集合住宅と比べて戸建の良い所は独立性ですが、それが無くなってしまいます。
  • 空室リスクが有る。満室は必ずしも保証されていない。
    サブリースというシステムもありますが、万全では無いです。
  • 売却時に売りにくい。
    普通の戸建としてはもちろん、投資用に考えた場合にはオーナーの居住部分が賃貸しにくく、扱いにくいです。
  • 引っ越して次に行く時に、場合によってはローンの一括返済が必要になる場合がある。
    住宅ローンはあくまでも自分で済むための家を借りるためのものですので。

おそらく、人付き合いが好きで、今まで、あるいは将来も同じ地域に定住されるような方がうまくいくように思います。

一方どっちかというと、投資に主力を考える方の場合は、普通の一棟のアパートやマンションを買って、自分の住居も必要であれば、その一部の部屋に住めば良いんじゃないかと思います。

当然ながら賃貸経営の効率も上がりますし、トータルでは収益も大きくなると思います。
上述の融資が不利になる問題も、収益が大きくなることでカバーできると思います。
そして、将来引っ越すにしても、売却するにしても自由度が高いです。

また、今のリフォームの技術は結構すごいので、自分の居住部分は好きなようにリフォームすれば結構いい感じに住めると思います。

そう考えると、賃貸併用住宅はちょっと中途半端な感じがありますね。

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