千葉のちょっと奥の方で土地建物の売買の仲介をしたのですが、登記簿を見ると土地の一部の地目が「畑」になっていました。
ご存知の方も多いと思いますが、登記簿で地目が田、畑などの農地になっている土地については、所有権移転登記する際に、農業委員会の許可や届出が必要となります。
現況は宅地でも農地
今回の物件は市街化区域内の住宅地で普通に住宅が立ち並んでいます。農地(畑)の雰囲気では有りません。
都市部周辺においては、今回のように登記簿の地目が「畑」や「田」でも現況は普通の住宅が建っていて「宅地」となっているところは多いです。
上記のように農地の場合は、売買で所有権移転をする際に事前に農業委員会への届出や許可が必要ですが、その際に農地かどうかの判断は登記簿の地目が基準になります。
なので現況が宅地となっている場合でも、農業委員会の許可や届出が必要なのです。
で、「許可」と「届出」の違いですが「市街化区域内」の農地の売買は、農業委員会への「届出」で大丈夫です。
市街化区域内というのは、都市計画の区域内で、既に市街地となっている区域と、およそ10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図ることになっている区域のことをいいますので、農地のままにしておく必要はないからです。
農地転用届出書の提出と受理通知書の受取
ということで、モノレールに乗って千葉市の農業委員会へ農地転用届出書を提出してきました。(千葉は車で行くことが多いので一度モノレールに乗ってみたかった w)
届出は売主様・買主様の連名です。そして代理の私が提出に行くので委任状も必要になります。
ここ千葉市の場合は次の日に受理通知書が出ますので、これを受取って司法書士の先生に渡せば私の仕事は終わりです。
この受理通知書は所有権移転の際に添付されることになります。
地目の変更登記は義務
ところで、本来は農地から宅地に変わった時点で地目の変更登記をする必要があります。
不動産登記法には変更の申請期限(1ヶ月以内)が定められており、怠った場合については罰則(10万円以下)も定められています。
(地目又は地積の変更の登記の申請)
第三十七条 地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。
2 地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。
(過料)
第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条又は第五十八条第六項若しくは第七項の規定による申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。
とはいっても、これで罰金を払ったという話も聞きませんし、特に怒られることもないのでそのまま放置しているパターンがほとんどだと思います。
固定資産税評価は自動的に宅地になる
また、固定資産税は農地だと安いのですが、現況が宅地の場合は役所が調査して「宅地」ということで課税されている事がほとんどです。
その場合は納税通知書の地目の欄に現況と登記簿の両方の地目の記載が有ると思います。
税金は現況に即して課税されます。
農地の売買は色々面倒です。特に市街化区域外では注意が必要です。
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