使っていた冷蔵庫がそろそろ10年選手で、ドアがきっちり閉まらない事が時々あり、大事なアイスが溶けるという事故がここ半年で数回発生しています。
ということで新しい冷蔵庫を買いました。大きめのサイズにしたので使い勝手が良いです。
さて、今日は「台帳記載事項証明書」と「建築計画概要書」の話です。
我々仲介業者は売却や購入のご依頼を頂くと、まずは物件調査をするのですが、建物の調査で重要な項目の一つが建築確認関係です。
建築確認制度
建築確認の制度はご存じの方も多いと思いますが、ちょっとおさらいです。
建物を建てるときや増築や大規模の修繕等をする際には、まず図面の段階で建築基準法などの法令に適合していることをを確認するための審査が有ります。
ここで問題が無ければ「建築確認済証」という書類が発行されて、工事に着工することができます。
そして工事が進んでいくと、途中で中間検査、完成後に完了検査が行われます。
これは、建築確認を受けた図面のとおり施工されているかなどについての検査です。
ここでも問題なければ、この建物は建築基準法の基準に適合しているということで「検査済証」という書類が交付されます。
すなわち「建築確認済証」と「検査済証」が無い建物は 建築基準法の基準に適合していない 違法建築である可能性が有ると言うことになります。
昔の建物は完了検査の実施が少ない
昔は完了検査の実施が結構ずさんで、古い建物ほど検査済証が発行済みの建物が少ないのが実情です。何かの資料によれば、1998年度時点でも完了検査率(検査済証交付件数/建築確認件数)は38%程度で、その前は5%〜20%程度だったともいわれています。罰則が無かったせいかもしれません。
なお、現在においては国土交通省の指導により、新築時に検査済証が無い場合はローンが出ないことがほとんどなので、ほとんどの場合で完了検査まで実施されているようです。
もちろん古めの建物は前述のように完了検査まで実施されている物件が少ないです。なのでそのような中古物件の取引の場合は、ローンの審査において検査済証が無くても柔軟に対応されているようです。
ただ、少なくとも「確認済証」の発行履歴が無ければ図面の段階でのチェックもされていないことになりますので非常に良くないですし、さすがにあまり見かけません。
紛失しているケースが多いです
ということで、重要な「建築確認済証」と「検査済証」なのですが、これを紛失しているケースがすごく多いです。私の体感では中古物件で紛失率は60%を超えるように思います。
建築確認や検査が行われた建築物であるかどうかについては、建築確認済証や検査済証により確認するしかないのですが、紛失した場合はどうなるのでしょうか?
役所では「建築確認済証」と「検査済証」の再発行はしてくれませんので「詰み」でしょうか?
大丈夫です。その代わりに出してもらえる書類が有ります。それが「台帳記載事項証明書」です。
台帳記載事項証明書
例によってなんだか分かりにくい言葉ですが、これは正に文字とおりで、役所の建築確認台帳に記載されている事項を証明する書類です。
この書類には、確認済証と検査済証交付の記録(日付や番号など)が記載されています。
ということでこの「台帳記載事項証明書」が有れば、「建築確認済証」や「検査済証」を紛失してしまったとしても、建築確認や完了検査の発行状況が証明できるというわけです。
例えば、「建築確認済証」や「検査済証」が無い場合のローン申し込みの必要書類にもなります。
この「台帳記載事項証明書」は、通常は依頼されている仲介業者に依頼すれば取ってきてくれると思いますが。ご自分でも役所に行けば誰でも取得することができます。300円とか400円くらいです。建築指導課っぽい名前が付いている部署で発行してもらえます。
建築計画概要書
もしご自分で「台帳記載事項証明書」を取りに行く場合は、合わせて「建築計画概要書」というのも取得すると良いです。
「台帳記載事項証明書」は、文字だけですが、「建築計画概要書」の方はもう少し詳しく配置図とかの記載も有ります。古い時代の概要書はとてもシンプルですが。
それから地域によって色々ですが、昔の書類は保存されていないことが有ります。横浜市は結構古いのも出てきます。
現地と照合してみましょう
昔の建物で特に検査済証が無い様な場合は、この「台帳記載事項証明書」および「建築計画概要書」と現況がずれていないか調べてみることをオススメします。
竣工、完了検査実施後に必要な建築確認無しで増改築しているケースも有りますので、検査済証が有れば絶対安心というわけでも無いですけど。
もし現況が大きくずれていた場合は、増改築がされていたり、そもそも建築確認時の図面通りに建物が完成していない可能性が有ります。繰り返しになりますが、建築確認と違う建物が建っている場合は違法建築の可能性が有ります。
現況は現地を見る他に、固定資産税の評価証明や登記簿などの数字とも比べてみると良いです。
特に固定資産税は市役所などで現地を確認して課税するのが原則なので。
ご相談はお気軽にどうぞ。
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