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分筆登記と残地分筆

住宅地

10月は「土地月間」、もう過ぎちゃいましたけど10月1日は「土地の日」なんだそうです。国土交通省がやってる?みたいです。令和2年度「土地月間」の実施について

10月は「土地月間」、10月1日は「土地の日」です。

さて今日は土地の分筆の話です。

ちょっと前のことになるのですが、接道の関係で敷地を一部分筆してから決済することになりました。

分筆登記とは、一筆の土地を分割して数個の土地にするという登記のことです。ちなみに一個の土地を指す単位を「筆」といいますが、なぜ単位が「筆」なのか興味の有る方はググってみてください。日本では昔から「筆」です。

分筆計画図

ちょっと話はそれましたが、上の図の1と3の土地が売買対象です。

そして、3の土地が1の所有者と2の所有者の共有となっています。

ご存知の方も多いと思いますが、建物を建築するためには建築基準法上の道路に2m以上接してないと原則的にはだめです。

ということで、1と2の土地が左下の公道に接するために、3の土地が重要です。3の土地が無いと家が建てられません。

で、3の土地を1と2の土地の所有者で共有にしておくというのが、昔の開発分譲地などで良くありました。それぞれが共有分の権利を持っているのでどちらも使えるという事です。

新興住宅地

ところが今回は住宅ローンを利用する銀行から、この土地をきっちり真ん中で半分に分筆して分けて下さい、というが条件が付いてきました。

確かにそうした方が共有の状態よりも権利関係もはっきりしますし誰も文句はありません。

とうことで、土地家屋調査士の先生に分筆を進めてもらうようにお願いしました。

現在の制度では分筆の際に隣地との確定測量が必要となります。確定測量とは、隣地の方に立ち会ってもらい境界を確認してはんこをもらうやつです。

測量

さっそく土地家屋調査士の先生が境界確定の立会を2と4と5の土地の所有者にお願いに行ったわけですが、2と4の土地の所有者はすぐにはんこを頂けたのですが、5の土地の所有者ははんこを押してくれません。なんか先生が頼みに行ったらいきなり怒鳴られたとかそんな感じだったそうです。

理由はどうも大昔に何か隣人トラブルがあったみたいで、まあ嫌がらせみたいなものです。境界の位置自体にはだれも文句を付ける人はいませんので。

で、分筆できないと住宅ローンの承認が出ないので困ったことになったわけですが、こういう「特別の事情」がある場合には残地分筆というのが認められるそうです。

「特別の事情」というのはいくつかあるのですがこの場合は次に該当します。

登記官によって分筆前の土地の境界が確認できる場合で、隣接地の所有者が正当な理由なく境界確認のための立会いを拒否しているとき

残地分筆とは、片方だけ(3の土地の図でいうと右下側)を測量して、元から有る3の測量図からその面積を差し引いてその地積とするという方法です。(昔はこの残地分筆が普通だったそうです)

この方法ならば5の土地と3の土地の境界を確定する必要はありません。

境界標

実際はこの「特別の事情」を認めるために、まず法務局の係の人が5の土地の所有者に境界立会のお願いをしに出向きました。

そこでやはり話し合いが不調に終わったようで、あっさりと残地法で分筆が認められて無事登記できました。

ちなみに5の土地の所有者はスポーツクラブとかでも怒鳴り散らしたりして色々難しい方だということも近所の方から耳にしました。加齢により怒りっぽくなることは多いと思いますが、身近な所にあまり敵は作らないようにしない方が良いですよね。

「仲良きことは美しき哉」です。

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