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築古マンションの寿命と出口戦略

勝どきのマンション

3月も半ばに入り、桜前線とかの話をニュースでやってますが、まだまだ寒いですね。

さて、今日は日々増えつつある「築古マンションの寿命」についての話です。

利回り重視の投資家の方も、マイホームを探している実需の方も、ぜひ知っておいていただきたいです。


室内がボロボロ? 実はそこ、大した問題じゃありません

先日、投資家のお客様と一緒に築40年超えのRC(鉄筋コンクリート)マンションの現地調査に行ってきました。

空室のドアを開けると、前の入居者さんが長く住んでいたようで、壁紙は黄ばみ、畳は擦り切れ、トイレやお風呂はちょっとあれな感じ。

お客様は「うわぁ、これはかなり手を入れるのが大変そうですね……」と少し引いていらっしゃいました。

でも、私の見どころは全く別で、気になるのは、まず室内では「配管や天井に水漏れの痕跡がないか」

そして外回りでは、外壁のクラック(ひび割れ)や塗装の状態などです。

結論から言うと、室内設備や内装はどうとでもなります。

お金をかければ、室内の設備は生まれ変わりますし、極端な話、賃料が安ければ設備がボロいままでも使えればOKという場合も多いです。

築古のRC物件で最大の問題であり、私たちが一番気になるは「建物の筐体」と「隠蔽部分の配管」(特にRCの場合)です。

マンションの室内

築古RC造の最大の敵「コンクリートの中性化」と「解体費」

RCマンションの最終的な寿命を決めるのはコンクリートの中性化です。

コンクリートは本来アルカリ性で、中の鉄筋が錆びるのを防いでいます。

しかし、年月が経つと空気中の二酸化炭素などと反応して、表面から徐々に中性化が進みます。

これが内部の鉄筋まで到達すると、鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを内側から破壊してしまう(爆裂)のです。

こうなると建物の強度は下がり、寿命は一気に縮みます。

外壁の再塗装、防水工事などを適時行うことで、中性化の進行を遅らせ、100年以上の使用も十分可能である、というのが一般的な説ですが、まだ事例がほとんどありません。

いずれにしても、いつかは寿命が来るはずです。

以上を踏まえた上で、投資や購入を考える際の「出口戦略(将来どう手放すか)」について考えてみます。

マンション

1. 地方の一棟マンションは「解体費>土地値」を考える

例えば、地方の土地値が低いエリアで利回りの高い築古RC一棟マンションを買うとします。

ここでシミュレーションした方がよいのが、「将来、建物を壊す時の費用」です。

解体費が土地の価値(売却価格)を上回っている場合、更地にして売ろうとしてもお金が足りず、手出しが発生します。

つまり、「今の建物で、寿命が尽きるまでにどれだけ家賃を稼ぎ切れるか(回収できるか)」のチキンレースになります。

高利回りに釣られてこの出口戦略を見誤ると痛い目を見ます。

例えば利回り10%だと、経費を考えて15年~20年くらいかけて家賃で購入費がカバーできる計算ですが、その後は出口に向けて家賃を稼ぐフェーズに入ります。

で、その出口が誰かに売却できれば良いのですが(ババ抜き感がある w)、そうでない場合は築年数とともに増えていく修繕費との戦いになります。

また、最終的に建物の寿命と考えて解体して更地に戻す場合は、高額な解体費用が発生するので、更地の売却費用でそれを支払えるかを考えないとなりません。

店舗を借りてラーメン屋を始めたが、あまり儲からなくて撤退する際に、店舗の現状復帰でスケルトンに戻す工事が結構お金がかかってつらい、みたいなのと同じですね。

マンションの共用部分

2. 区分マンションの「建替え」は夢物語?

区分マンションで、「古くなったらマンションごと建替えになれば、新築になってラッキー」と思っている方がたまにいらっしゃいますが、現実はそんなに甘くありません。

マンションを建替える際、現在の容積率(敷地に対して建てられる建物の広さ)に余裕があり、「今より大きいマンションを建てて、増えた分の部屋を新しく分譲して建替え費用を捻出できる」というボーナスステージのような物件でない限り、所有者には多額の「持ち出し(追加費用)」が発生します。

こちらも一棟マンションと同じく、建物が寿命になった時に、解体費が土地の持分価値を超えていれば、更地にして売却するにもお金の持ち出しが必要です。

マンション

結論:建物をいかに「長持ちさせるか」が勝負の分かれ目

いやなことも書きましたが、築古物件がダメだと言っているわけではありません。

好立地で価格もこなれている築古物件は、やはり魅力的です。

だからこそ、「いかに建物を長持ちさせられるか(適切な修繕が行われているか)」が鍵になります。

区分であれば大規模修繕の履歴、修繕積立金の貯まり具合、そして配管・コンクリートの劣化状況の確認。

これらを総合的に判断し、想定所有期間を仮定して「減価償却による節税効果」も含めた全体の費用対効果(ROI)で冷静に計算することが、築古物件と上手に向き合う方法です。

古いRCマンションは建物の減価償却費が大きく取れるので、その間の本業との節税効果がある人は有利です。

ビルの屋上

「このヒビは表面だけだから大丈夫」「ここの配管はすでに交換済みだからラッキー」。

そこらあたりの判断は、ネットの情報だけではにわかりにくいです。

「この物件、利回りは良いけど実際どうなの?」
「実需で築古を買ってリノベしたいけど、変な物件は掴みたくない」

そんな不安があれば、お気軽にご相談ください。

気が合えば一緒に物件を見に行きましょう。w

高いけどそれなりに土地値が付く物件が安心だとは思いますが、投資方針や考え方、アイデアは人それぞれです。

外壁のひび割れ

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