もうお休みに入ってる方も多いと思います。
年の瀬はバタバタと外出することが多いのですが、街に人が増えていることを実感します。基本的に人混みはきらいなのですが、街に人が溢れている今年の様子を見ると何故かほっとしますね。
さて先日、借地権付き建物の仲介で借地契約の引き継ぎのために諸条件の確認が必要になりました。
で、話を伺いに弁護士の先生の事務所へ出かけてきました。地主様が全面的に委任されている先生です。
地主様が多くの底地をお持ちのお寺さんだった事もあり、色々きっちり決まっていてトラブル無く進められそうで良かったです。
借地権付き建物はお得?
さて、借地権付き建物は、通常の所有権の土地建物の価格と比べて、土地が借地の分安くなります。
価格が安くなるのは良いのですが、所有権の土地の売買と違い、色々と費用や制約が発生します。
特に旧法借地権で昔からの借地契約を承継するような場合は、契約書も昔に作られたシンプルなものが多く、あまり詳しい条件などは記載されていません。
最初の契約が昔過ぎて、さらに相続などを経ていると、土地賃貸借契約書自体が紛失等で無くなっている場合も有ります。
話は変わりますが、最近の賃貸の契約書でやたら細かい事が小さい字でずらずら書いてあるのが有りました。大きな会社でリーガルチェックをしっかりやると、ひたすら細かくなっていくのでしょうか?
仲介の私もお客様も老眼でつらかったです。w
借地権の主なチェックポイント
ということで、思わぬ負担や制約などでびっくりしないように、売買を検討する際には次の点は最低でも確認しておきましょう。
- 地代
- 借地権譲渡承諾料(売買・贈与・相続・離婚など、売主と買主のどちらが負担するか?)
- 更新料(賃貸借期間、次の更新の時期)
- 建替承諾料、増改築承諾料
- 建物担保設定の可否、承諾料
- 建物の構造、種類(堅固・非堅固、専用住宅、店舗、共同住宅は?)
- 転貸や構造変更の可否
各承諾料は、土地価格を基準としていることがほとんどですので、土地の価格が変動すれば承諾料も変動します。
各種承諾料の意味合い
借地借家法は借主側にすごく有利な法律です。色々と面倒で避けられがちですが、妥当な価格で購入できれば悪くないんじゃないかと思います。うまく利用できればコスパがぐんと良くなります。
一方、地主様から見ればこの借地借家法は圧倒的に不利な法律で、自分の自由に出来ないという意味では、わずかの地代で土地が取られるようなものです。で、それを補完する意味あいが各種承諾料です。
各種承諾料が話し合いで決まらない場合
なお、地代や承諾料でもめた場合は、裁判所に許可を出してもらう事で、地主様の承諾の代わりとすることができます。(詳しくは「借地非訟手続き」で検索してみて下さい)
借地借家法においては、裁判所でも最終的には借地人が絶対的に有利なのですが、地主様との関係を悪くして得になることは有りません。多少の譲歩で丸く収まるのであれば、話し合いで穏やかに済ませるのが一番です。
例えば、建物の抵当権設定などは裁判所の許可の範囲外ですので、将来売却する時の買い手は融資を利用できない可能性が有ります。その場合は現金買いの方にしか売ることができせん。
当たり前ですが、土地の所有者は地主様なので、借地人は土地の固定資産税の負担は有りません。その代わりが地代と考えればよいのではないでしょうか。
考え方次第では、固定資産税も日本国が大家さんでそれに対して賃料を払っているようなものです。そうなると、所有権移転の際の不動産取得税や登録免許税は承諾料みたいなものですね。
ご相談はお気軽にどうぞ。良いお年を!
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