夕やけだんだん

日暮里へマンションの物件調査に行った帰りに時間が余ったので谷中銀座方面を散策してきました。

こちらもご多分に漏れず外国人のツーリストであふれていました。

これに合わせてか、飲食店やお土産屋さんなどもツーリスト向けが多くなっており、なんとなく風情がなくなった感じで複雑な気持ちです。商売なので仕方ないですけど。

さて、「夕やけだんだん」って聞かれたことがあるかと思います。

JR日暮里駅から谷中銀座商店街へ向かう途中の階段がある場所なのですが、夕焼けの名所として広く知られています。

この「夕焼けだんだん」に面した場所でマンションの建設が進んでいます。

新聞などでも報道されていますが、「このままでは景観が損なわれてしまう」と地元の方々などを中心に懸念というか残念だといった声が上がっているそうです。

しかしながら、行政が許可を出した以上、建築を止める手段は有りません。（某K立市を除く）

ただ、建築の許可についてはちょっともやっとするところも有ります。

夕焼けだんだん周辺は、台東区と荒川区の境界付近に位置しています。

で、計画されているマンションは荒川区の側です。

台東区側には景観を守るための地区計画があり、建物の高さに厳しい制限（12m以下など）があります。

しかしながら、荒川区側（今回の建設地）には台東区側のような厳しい高さ制限などが設けられていませんでした。

そのため、法的には「7階建て」の建設が可能であり、業者は法律・条例に則って適法に進めています。

新しい建物を建てる「開発」と、古くから愛されてきた「景観の保全」、これは多くの街で問題として存在します。

その街並みや雰囲気そのものが大きな財産であり住まいの価値にも深く関わってきますが、土地所有者の私権を制限しすぎるのも問題なような気がします。

個人的には街はどんどん変化していって欲しい派ですが、もう少し行政が長い目でまちづくりのマスタープランをしっかりと検討して頂ければトラブルも減るのではないかなと思ったりします。

住まい選びは、その個々の戸建てやマンションなどだけでなく、その街を選ぶということも含まれています。

景観やコミュニティといった目に見えない部分も、生活の満足度を大きく左右します。

お住まいを探す時は周辺の開発計画などにも注意することをおすすめします。

日暮里駅の近くのおにやんまでうどんを食べて戻りました。

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