仲介で検討中の物件の現地調査に行ってきました。
不動産の物件調査というのは単に建物の状態を見るだけではありません。
敷地と道路の関係や境界がどこにあるかなどを確認するのも大切な仕事のひとつです。
今回調査した物件は前面道路が幅員5m弱くらいの公道(区道)になっています。
通常、公道であれば管理もしっかりされていることが多いのですが、現地を見ていて疑問が湧きました。
道路と敷地の境目にあるはずの 境界標の位置がどうも合っていないような気がしたのです。

最近は便利な世の中になったもので、境界確定図などの資料もネットで取得できる自治体が増えています。
さっそく図面をゲットして現地でレーザーとメジャーで敷地の長さを測ってみました。

そうしたところ、敷地自体の寸法は手元の測量図の数字とほぼ一致しているようです。
ということは敷地が間違っているのではなく道路境界の側に何か事情があるのかもしれません。

気になったのですぐに区役所の道路課に行ってきました。
担当の方と図面と現地の写真を見なが相談したところ、どうやら道路の一部が民地(本物件の敷地)側へ越境している可能性が高いのでは?とのことでした。
参考にしている測量図も平成の初期に作られたものなので、はっきりさせるためには改めて土地家屋調査士を入れて測量を行う必要があります。

ただ、再度測量を行うには相応の費用と時間がかかります。
現状では 車の出し入れや通行に支障があるわけでもなく近隣とのトラブルも特にありません。
お客様とも相談した結果、特に困ることも無さそうなのでしばらくはこのままの状態で様子見としておこう、ということになりました。
不動産はひとつひとつ条件が違うので、物件それぞれに色々問題があって日々勉強になります。

地積測量図の正確性は、作成時期によって大きく異なり、新しいものほど信頼性が高くなります。特に、平成17年3月7日以降に作成されたものは、座標求積法が主流で、現地復元性も高く、精度も十分です。それ以前の図面、特に平成7年以前のものは、測量技術の低さや境界標の記載義務化以前のため、正確性が低い傾向にあります。
帰りに事務所の近くのドトールでバームクーヘンを頂きました。
最近は疲れるとビールより甘いものが欲しくなります。これも加齢によるものでしょうか。




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