ブログ不動産コラム

マンションの価格査定と価格形成のメカニズム

ブルーインパルス

昨日はブルーインパルス見逃しました。昼寝で完璧なまでに熟睡して寝過ごしてしまいました。ちょっと楽しみにしていたので残念です。


さて本日はマンション、特にマイホーム用の実需マンションの価格についての考察を少し。

マンションを売却しようとして不動産屋に行くと、まず査定ということになります。

不動産の査定
査定のイメージ w

そして不動産屋の査定はご存知のように次の3つの方法があります。

(1) 原価法

地積と平米単価の掛け算で土地の値段を計算します。さらに同じ建物を再建築した時の価格を計算して、そこから築年数による償却分をマイナスします。

建物の価格を真面目に積算するのは大変なので、実際は土地と同じ様に建物の延べ面積に建築単価をかけて算出することが多いです。

(2) 取引事例比較法

これは文字通りで近所の似たような物件の取引価格を調べて、だいたいその値段で次も売却できるという前提で査定します。

近所の取引事例で選んだ物件と、設備や環境などのプラスマイナスを調整して価格を算出します。

(3) 収益還元法

主に投資物件で使う方法です。賃料収入から諸経費を差し引いた純収益との物件価格の割合が投資利回りになります。地域や建物の種類、規模などによってこの利回りの目安はだいたい決まって来ますので、この収益を利回りで割り戻すと価格が算出されます。これは単純な直接還元法と呼ばれているやり方です。

また、エクセルが好きな人?はDCF法というのもあります。これは一定期間の収益とその後の売却価格をそれぞれ現在価値に割り戻して合計した価格を査定価格とするものです。適用範囲は不動産にとどまりません。競売の評価書にもよく出てきます。(言ってることが解らないですよね?解説のページがたくさん有るので興味ある人はDCF法でググってみてください)

収益還元法は、賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産の価格を求める場合に使います。主に賃貸用の一棟マンションとかビルですね。

直接還元法は利回りだけで決まるので簡単です。周辺事例が多ければ目安にはなります。

これらの価格の査定方法は単独で計算する場合もありますが、場合によってはそれぞれ算出して物件の特徴によりそれぞれ重みを付けて加重平均したりとか色々です。

マンション

さて、マイホームなどの実需マンションですが、これは取引事例比較法が第一で他はあまり意識しないことが多いです。

たぶん原価法だと新築分譲時にたっぷりと業者の利益や広告費が乗っかっているのでうまく合わないんでしょうね。

小さめのマンションで投資も意識できるようなタイプの物件だと収益還元も意識されますが、ファミリータイプの広めの部屋だと利回りも低くなりがちであまり目安にはなりにくいです。

ということで実需向けマンションの価格査定では収益還元法(直接還元法やDCF法)もあまりなじみません。

なお、戸建ては原価法がわりとしっくりとなじみます。例えば個人でも土地を買って家を建てる場合、それぞれの価格を積み上げればそれが価格ですから。

マンションとモノレール

ところで、賃貸住宅に住んでいる人の購入時の心理を考えると、毎月の返済金額と賃貸の家賃を比べて、返済金額が許容できるかどうかというのが購入の判断の根拠として大きいです。これはある意味収益還元と逆の考え方ですね。

さらに、転勤や転職などの引っ越しに伴って買ったマンションを賃貸に出した場合に家賃でローンの返済ができるか?というのもポイントみたいです。(引越し先の家賃とローンの返済が二重になると苦しいので)

余談ですが、今まで家賃を払っていたのが逆のもらえる立場になると、皆さんとても嬉しそうで良い笑顔になります。(^^)

住宅ローンの支払

結局の所、特に実需向けの中古マンション相場の現状においては、取引事例法は原価法や収益還元法よりも高い価格となることが多いです。

これは住宅ローンの金利が異常に低いので毎月のローンの返済額が少なくなり、結果として価格の許容度が上がっているというのが現在の価格決定メカニズムの主要因になっているからだと思います。(住宅取得の促進は国策なので税制でも有利です)

なので金利が大きく上がれば不動産価格は当然に下がるはずです。(当面はあまり下がりそうもないですが……)

都会と株価

ところで国家資格で高度な専門職である不動産鑑定士の鑑定評価と、不動産屋がちゃっちゃとやる査定はまったく別物です。

不動産屋は理論的に正しい?価格ではなく 実際に売却できる価格 を算出しないとなりません。したがって取引事例法を第一に意識することになります。

お客様への説明もし易いですし…..


ご相談はお気軽にどうぞ。

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